失って初めてわかること


昨年末、お気に入りのゴールドピアスの片方を失くしました。

そのピアスは20年以上前から身につけていたもので、
これまで、一度たりとも、外れ落ちたことはありませんでした。

それほど高価なものでも、流行のデザインでも無く、
どちらかというと、いつのデザイン?・・・・・という感じのものでした。
20年近く、何となしに身につけていたピアスでした。

でも、いざ失くしてみると、20年の付き合いがあったせいか、
とても愛おしい気持ちになりました。


あんなに小さなものだったけれど、とても切ない気持ちになりました。


一日中、捜しましたが見つかりませんでした。


とうとう、夜も更けて、あきらめ気味で寝室に入ろうとした時に
ふと、リビングの椅子にちょこんと乗っていた、私のバックに気づき、
まさかと思いながらも、バックの中を覗き、
財布やらポーチやらをかき分けてみるとバックの奥底に何かキラリと光るものが見えました。

あの失ったゴールドのピアスでした。
耳から一度も外していなかったのに何故バックの奥底に?????

でも、嬉しかった。

実は、このピアスを探している間、
亡くなった祖母や母にお願いしてみたのです。

もし、魂というものが本当にあるなら、ピアスを見つけ出して欲しい・・・・・・と。

だから、ピアスが見つかった瞬間、偶然とは思えませんでした。
「亡くなっても魂はある」という、祖母や母からのメッセージだったように思いました。


あの時から、このピアスは単なるアクセサリーでなく、私のお守りとして特別な存在になりました。
同時に「失って初めてわかるもの」が私の周りには、幾つもあることに気づかされました。

あまりにも当たり前に考えていたものが、実は当たり前の事ではないということ。
そんな大切なことを祖母や母の魂が教えてくれたように思います。