砂の上の足跡


"Everything that happens in your life is moving you in the direction of your goal."
By Bob Proctor






ある夜、わたしは夢を見た。
わたしは、主とともに、渚を歩いていた。


暗い夜空に、これまでのわたしの人生が映し出された。
どの光景にも、砂の上にふたりの足跡が残されていた。


ひとつはわたしの足跡、もう一つは主の足跡であった。


これまでの人生の最後の光景が映し出されたとき、
わたしは、砂の上の足跡に目を留めた。


そこには一つの足跡しかなかった。
わたしの人生でいちばんつらく、悲しい時だった。


このことがいつもわたしの心を乱していたので、
わたしはその悩みについて主にお尋ねした。


「主よ。わたしがあなたに従うと決心したとき、
 あなたは、すべての道において、わたしとともに歩み、
 わたしと語り合ってくださると約束されました。
 それなのに、わたしの人生のいちばんつらい時、
 ひとりの足跡しかなかったのです。
 いちばんあなたを必要としたときに、
 あなたが、なぜ、わたしを捨てられたのか、
 わたしにはわかりません。」



主は、ささやかれた。


「わたしの大切な子よ。
 わたしは、あなたを愛している。あなたを決して捨てたりはしない。
 ましてや、苦しみや試みの時に。
 足跡がひとつだったとき、
 わたしはあなたを背負って歩いていた。」


                     マーガレット・F・パワーズ