常岡 一郎先生


常岡一郎先生の著書を再び、読み返しています。

心がつまづくと先生の本を開きます。
すでにこの世ではお目にかかることは出来ませんが、これが邂逅というものでしょうか。
魂の出会いに助けられていることを感謝します。





私は今、親の老後を通して、一人の人間の生き方を目の当たりにしています。

父に対して、いつでも穏やかな心と優しい言葉で接することが出来たら、
私自身がどんなに幸せかと思う日々です。





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一本の樹でも根を大切にしないと、枝葉は枯れます。
根が自分の思うままに伸びる。広がる。太る。
そんな樹は枝葉がまた充分に伸び広がります。


岩や石や赤土の大地なら、根は拡がれません。ちぢこまります。
そんな木の枝葉はいたましいものです。


祖先は種です。親は根です。
その根を厄介者扱いにする。これは危ない。


たよりにする宝物が危ない。


子供が夢のようにこの世から去る。
病いか交通事故か、とにかく危ない。


今の中に心の持ち方を改めなさい。
こう教えられています。


表面から見ればお父さんによくつくされていますが、
心の奥では困ったものだと心をにごしていられますね。
それは宝を見失う心です。


よい子が宝ではありません。


よくない親こそ宝であると気づくほど
天地の道理がわかるようになって下さい。



                  著書 「人生と病い」より


                       

                         
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目を開ければすぐ見える。それは人の顔である。
自分の顔は自分の目で直接みることはできない。だから鏡に映す。


そうして間接に見るほかは無い。
映ったものを間接に知る。これが自分である。


自分の心、自分の魂、自分の不徳、心のゆがみ、未熟、こり、頑固さ、
これは自分ではなかなかわからない。だからそれを映す鏡がいる。
(中略)


また、運命や環境となって映される。
見るもの聞くものすべての中に自分自身が映し出されている。
そこで一切の出来事を見つめて自分を見つけ出す。


色々なことを聞いてその中に自分の本体を知る。
そこに人間として育つ道が生まれる。



                    「鏡」より


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生き方を正すための鏡として、
今、自分に起こっている事柄をよく見つめ、自分を見つけ出す。
そして自分の本体を知り、自分が人間として成長するために向き合うことが
何よりも肝心なんですね。

心のくもりをとって、
心を明るく、清く、安らかに、陽気にしよう!!!ですね!







常岡 一郎 略歴

○ 1899年(明治32年)1月12日 - 1989年(昭和64年)1月2日
○ 日本の政治家、宗教家、文筆家。