フランチェスコ・アルベローニ


本棚の奥に、だいぶ前に読んだ本、
フランチェスコ・アルベローニ著「他人をほめる人、けなす人」があったので、開いてみました。

あちらこちらの箇所にピンクやイエローのマーカーで線をひき、
一生懸命読んだ形跡があるのに何が書いてあったのか、ほとんどを覚えていません。

だから、また、新鮮な心持ちでこの本を読み始めようと思います。

ちなみに本を開いた時、最初に目に入ったのは以下の文章です。
”成る程、なるほど・・・・・”と思います。


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他人の寛容を巧みに利用する弱者は多い。
まずそれをおこなうのは、両親にたいする子供たちである。


しかし、両親のほうでも子供たちに同じことをおこなう。
きわめて多くの母親たちは、息子にたいして惜しみなく尽くすが、
やがて手中の愛人にたいするように振る舞うにいたる。


別の母親たちは、娘の罪の意識に巧みにつけこむ。
自分をなくてならない存在にするために全力を尽くすが、後で、
娘がたえず自分に尽くすことを強く要求する。


弱くてもろい人物は善良だ、と我われはつねに思っている。
ところが、そうではない。


私の脳裏に浮かぶのは、少し頭が変になった老婦人である。
一人で暮らしていたこの婦人に、私は同情を寄せていた。
ところがほどなく、この老婦人は性根が悪く、ひどく残酷であることを私は知った。


精神病者、老人はしばしば攻撃的である。
実際よりもよく見ようと努めているのは我われのほうなのである。



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弱者が強者・・・・と言いますが、
私の周りにもそんな人達が・・・・・・・。